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現場リポート:2025年4月27日
4/27に行われた診療実践コース「小児科」は、小児科医・総合診療医の高村昭輝先生、小児科医の山本 正仁先生を講師として行われました。
この講座は、非同期型のオンライン事前学習と、同期型のオンラインレクチャー・グループワークを組み合わせて行われました。
非同期型のオンライン事前学習のため、あらかじめ短い簡潔な動画を閲覧しました。普段、小児科医として勤務していない医師にとってもわかりやすい内容で、小児科診療の問診・診察のエッセンスを学ぶことができました。
講座開催当日には同期型のオンラインレクチャー・グループワークが行われました。導入として、小児診療のケースへどう対応するか、グループワークで議論しました。その後、レクチャーにより注意が必要な所見・状況・疾患について解説を通じて学びました。知識を深めた上で、よくある小児科診療のケースについて再びグループワークにより議論・検討しました。最後にレクチャーにより理解を深めるという形で、本講座が行われました。非同期での事前学習と合わせて、同期型でのグループワークにより、実際の臨床場面でどのように医師として対応するかについて効果的に学ぶことができました。
山本先生の嘔吐のみかたでは、嘔吐により受診した患児に対して緊急性の高い疾患である髄膜炎・腸重積・血糖異常について学びました。具体的には、髄膜炎での大泉門の触診や、腸重積の触診のTIPS、触診の限界、血糖異常の合併などについてわかりやすく説明をいただきました。嘔吐をきたした患児について、安易に胃腸炎と診断せずに様々な疾患の可能性を考慮しながら診察することの重要性を再確認しました。さらに、ツルゴールの具体的な確認方法の説明、CRTの具体的な診察方法など動画も踏まえながらわかりやすく説明していただきました。合わせて、乳児の爪の小ささや気温の影響など身体所見の限界や考慮すべき状況も説明を受けることで、知識として知るだけでなく、実践できるかたちで学ぶことができました。重症度・緊急度の高いケースだけでなく、軽症の患児への対処についても説明を受けることができ、より実践的な知識を学ぶことができました。例えば、経口補水療法ORT(Oral Rehydration Therapy)を開始する際に、ORT実施時に起こる嘔吐を防ぐ方法などどのように患児家族へ説明するのか具体的な説明がありました。
高村先生によるけいれんのみかたでは、参加者の診療場面で遭遇しやすい熱性痙攣とそれ以外の脳炎など危険な疾患の考慮するのか、を学ぶことができました。けいれんの再発予測や治療方法など、エビデンスを踏まえた患児家族への説明が治療と同様に重要であることが理解することができました。
3時間のオンライン講座を通じて、参加者のみなさんの学習意欲・関心はとても高く、グループディスカッションでの議論に加え、チャットによる質疑が活発に行われました。抗菌薬の適応、けいれんの患児へのCTの適応、など、臨床の場での診療実践を踏まえた有意義な質問がなされ、質疑を通じて参加者全体の理解が深まりました。
【開催日】
2025年4月27日(日)
【テーマ】
診療実践コース:小児科
【講師】
高村 昭輝(富山大学附属病院 総合診療科)
山本 正仁(長浜赤十字病院 小児科)
【研修目標】
・ 重症度、緊急度が高くないとトリアージされた、よくある小児の症候を救急外来や急病診療所で
マネジメントできる
・ 科学的根拠に基づいた病状説明で保護者を安心させられる
・ 3日続く発熱でも安易に小児科に紹介しなくても対応できる
・ 嘔吐のときに何とか点滴しないで乗り切ることができる
・ 痙攣が止まっている場合の、こわいときとこわくないときが判断できる
・ 子どもの効果的な診察のコツとよくある疾患
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