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​現場リポート:2023年9月10日

9月10日福田先生のコーチングの講義を受講させていただきました。コーチングとは、「答えはその人の中にある」という原則のもと、相手が状況に応じて自ら考え、行動した実感あからまなぶことを支援し、相手が本来持っている力や可能性を最大限に発揮できるようサポートするためのコミュニケーション技術だそうです。筑波大学附属病院で開発されたノンテクニカルスキル研修ですが、①組織力の向上、②チーム医療×主体的な学び、③体系的な学習機会を謳っており、そのうち①と②の為に③で学ぶといったところでしょうか。

今回は、院内でのコミュニケーションの課題をコーチング手法を用いて解決するヒントを得ることをゴールとして、参加者同士でコーチングし合いながら進みました。チーム医療における対人関係の課題は何か×自分が大切にしている価値観=思い描く理想像を描く という道筋で、ポイントとしては心理的柔軟性だそうです。心理的柔軟性とは、不快な感情や考えがあったとしても大切なこと(≒価値観)に向かって行動することが出来ることです。なぜ突然、個人の価値観が出てきたのかと思いましたが、大切なことを認識することでゴールに向かう気持ちがまた湧いてくるということだと理解しました。

価値観については、自分ですでに思っているものがある方もいらっしゃると思いますし、具体的に何とは明言しがたい方もいらっしゃると思います。これまでの人生を振り返って価値観を明確化するためにワークを行いました。人生曲線を作るというもので、改めて自分のこれまでを振り返ってみると気が付かなかった自分の傾向や今上り調子なのか下り調子なのかがはっきりと見えて面白かったです。さらに加えてVIAも登場しました。VIAとは、自分の強みを知るための自己分析ツールで、テストを受けると24項目の強みが自分の中で優先度が高い順番に並びます。これらを参考に自分の抱える課題から、思い描く理想に繋げる作業を、コーチングし合いながら行いました。

コーチングする側は、相手の話に耳を傾け質問によって相手の内面にある答えを引き出し、コーチングされる側は自己認知を深め思い込みへの気付きができるようになります。私ははじめ、「コーチングってどうすればいいのか…」とぎこちなさ満載の中、やっとやっとでグループワークを終えていました。自己紹介や人生曲線シート、VIAを共有し、回を追うごとに、お互いがどう考えるのか、感じるのかが初めて会った人だけれどもよくわかるようになりました。円滑なコミュニケーションのためにはそういったところも大事だと気づかされました。

また、問題解決の為に問題志向ではなく解決志向といって、成功したことに着目するという手法も教わりました。失敗を防ぐために安全にしすぎて息苦しいということはよく感じられることだと思います。今医療現場でも注目され始めている取り組みだそうで、よい考え方だと感じました。解決するために使える資源を考えましょうという視点もあり、今までそういった考えに及んだことがなくて新しい発見でした。

 

今回は1日ということもあり、コーチング講習のはじめの一歩といったところだったようですが、それでも新たな気付きが多く充実した時間でした。講師の福田先生、有難うございました。

【開催日】
2023年9月10日(日)

【テーマ】

ノンテクニカルスキルコース:コーチング

【講師】

福田 幸寛
(筑波大学総合診療科つくば総診グループ) 

​【研修目標】

・部下の学習と成長を支援するためのコーチングスキルをロールプレイ中心に学ぶ
・基本的なエンパワメントの方法を知ることにより、後輩や部下の自発的な成長を促し、教育効果を高める力を身につける

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