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​現場リポート:2023年9月3日

今回は、実際の症例を基に循環器疾患について学びました。

胸痛の鑑別という基礎的な内容から、実際の症例や心電図を用いたグループディスカッション、高血圧や不整脈の評価と治療といった実践的な内容まで幅広く学べる6時間です。

プライマリ・ケアにおける 胸部症状聴取と病態把握のセクションでは、頻度と緊急度で分類した表をもとに胸痛の鑑別を考えました。
心電図検査についてのセクションでは、20グループに分かれ、グループごとに1つの心電図をじっくりと読み解きます。様々な経歴や所属、役職の方々と意見交換をしましたが、症例や心電図に対する見方がそれぞれ異なり、楽しい時間となりました。また急性心筋梗塞の部位による心電図異常の違いや、梗塞後の経時的な心電図変化、またなぜ「ミラーイメージ」 となるかの機序が印象に残っています。

現在も持続する胸痛の診断上の留意点のセクションでは、外来業務の思考プロセスに取り入れたい内容がたくさんありました。

虚血性心疾患の病態や高血圧、不整脈、の評価と治療についてのセクションでは、薬剤の選択を含めた詳しい内容を学ぶことができました。また普段の診察でよく経験する動脈硬化性疾患患者の慢性管理、抗血栓療法の実際についてご教示いただきました。 家庭血圧、診察室血圧で心血管死、脳卒中の発症率を比較した報告が興味深かったです。腎機能や年齢にあわせた降圧薬の選択法はとても参考になる内容でした。

心電図異常に対しては「難しい」「緊急対応が必要そう」と苦手意識がありましたが、緊急性のあるものと準緊急性、そうでないものに分けてご説明いただき、明日からの診療に活用できるtipsをたくさん学ぶことができました。
 また、プライマリ・ケアにおける循環器診療について「病態を想像しつつ聞き取る症状聴取」が重要なスキルとご教示いただき、救急外来や病棟での診療で意識していきたいと思いました。

後半は プライマリ・ケアに携わる医師であれば誰もが一度は悩む「循環器内科に紹介すべきか?紹介するならいつ?」という問題。質疑応答時も多くみられましたが、各症例ごとにわかりやすく解説いただき、すっきりされた方も多かったと思います。

約6時間の研修を経て、今後、実際の臨床の中で循環器疾患を疑った際にどのような評価と対応が出来るだろうかと今から楽しみになりました。診療に携わる方ならば必ず遭遇する循環器疾患。学んでみたい方はぜひ研修にお申し込みください。

【開催日】
2023年9月3日(日)

【テーマ】

診療実践コース:循環器

【講師】

渡辺 重行
(水戸協同病院)

【研修目標】

・胸部症状を訴えて受診した患者に対して、病歴聴取から診断名を絞り込み、適切な対応が取れる。
・心電図を適切に読影し、重要な疾患を適切に拾い上げ、また、緊急性のある疾患を診断し、専門医につなぐまでの応急治療ができる。
・高血圧を指摘された患者に対して、適切に評価でき、必要に応じ適切な降圧薬選択により、継続的フォローアップができる。
・動悸を訴える患者を適切に診断し、また、頻脈のおおよその心電図診断ができ、内服治療、あるいは適切な紹介ができる。
・脚ブロックや期外収縮などを適切にフォローまたは紹介ができる。
・心房細動患者を適切に診断評価し、リズムコントロール、レートコントロール、抗血栓療法を適切に選択し、継続管理できる。超高齢者への抗凝固療法を適切に判断できる。
・呼吸困難あるいは浮腫を主訴とする患者に対し、心不全の有無を適切に診断し、その初期評価と初期治療ができ、適切な紹介ができる。HFpEF、HFrEFを適切に紹介できる。また、終末期重症心不全や低血圧を伴う心不全例を含め、慢性心不全患者の適切な継続治療ができる。
・虚血性心疾患患者、末梢動脈疾患患者の適切な慢性管理ができる。CTでの冠動脈石灰化例を適切に扱うことができる。

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