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​現場リポート:2023年6月4日

組織力やチーム力を向上させるスキルを学ぶ「ノンテクニカルスキル研修」。
今回は、ワークシートを用いた自己学習やロールプレイを通して「コンフリクトマネジメント Conflict management」について学びました。
研修全体としてはSTEP1-4で構成され、まずSTEP1ではコンフリクトとは?という基礎的なところから学んでいきます。
私はこれまでコンフリクトという言葉に対してネガティブなイメージを持っていましたが、研修を通じて、他者との関わりの中での様々な場合で生じ得る状態であることを認識しました。
序盤での「コンフリクトとはどのような状態?」という質問に対して、受講者からの意見では様々な意見が飛び交い、これも一種の「コンフリクト」の状態なのだろうか…ということを考えながら拝聴・拝見していました。

コンフリクトの概念を理解したところで、自己紹介、グループワークに入っていきます。
地域、施設、経歴や役職の違う方々とお話しするグループワークでは、異職種交流会のような雰囲気さえ感じました。
大グループから小グループに別れて、具体的にコンフリクトの生じている事例に対する対応法をロールプレイング形式で考えていきますが、対話を通じてそれぞれの性格や現在の役職が垣間みえてきます。

STEP2では、いよいよコンフリクト対応の方法について理解を深めます。
コンフリクトに対する対応方法や心構え等について詳しく学びながら、グループワークで実践していきます。
この辺りになると、グループのメンバー同士の緊張感もだんだんと緩和され、表情が柔らかくなってきます。福田先生もランダムにグループワークに参加していただき、和気あいあいと、時にはヒートアップしながら学習を進めていきます。
コンフリクトに対する「5つの対応モード」という概念が興味深く、実際の臨床や生活にも活かしてみたいという声が多く聞かれました。
対応モードについて知りたい方は、ぜひ福田先生の講義や書籍でチェックしてみてください

STEP3では適切な対応方法を学んでいきます。
 コンフリクトの全体像や詳細像、またその問題の根っこになっている部分を捉えていくということが大切だということを学びます。

 

そして、お昼休憩をはさんで、満を辞しての総合演習!
お昼を食べながら午前中の内容を振り返ると、この時もっとこういった意見が言えたな・・・、あの時のニュアンスはもう少しこうしていたら・・・等々、反省点が頭に浮かんできます。
そんな反省点を活かしながら、総合演習に挑みます。
総合演習は、グループワークを共にしてきたメンバーと協力し、別のグループとの攻防戦に挑戦します。
お互いに対立する主張があり、ディスカッションを通じて主張を通していくことが目的。説得するための方法をはじめ、相手グループの作戦の推測や、解決しない場合の妥協
案など、グループ内で頭を悩ませていると、20分間があっという間に過ぎ去っていきます。
いよいよ攻防戦が始まると、相手グループの思わぬ発言に、準備していた作戦が使えなくなったり、逆に作戦通りにいったりと、「対応モード」を使い分けながら、様々なパターンを準備しておくことの大切さを体感しました。

最後に、研修のはじめに立てた目標と感想をグループで発表し、質疑応答で研修終了です。
約6時間の研修を経て、今後、実際の臨床や生活の中でコンフリクトに直面した際にどのような「対応モード」を使っていけるかが楽しみになりました。

【開催日】
2023年6月4日(日)

【テーマ】

ノンテクニカルスキルコース:コンフリクト・マネジメント

【講師】

福田 幸寛
(筑波大学総合診療科つくば総診グループ)

【研修目標】

・チーム医療における意見の葛藤や対立を「チャンス」ととらえ、双方が納得できるような合意形成を導くための方法について学ぶ

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