top of page

​現場リポート:2023年4月9日

本講座の目的としては、「典型的な認知症の方を自分で診断し、 初期治療を開始し、様々な問題に対応しながら 最後まで主治医としてマネジメントできる」ことで、内容は初級から中級を対象としており、公益社団法人全日本病院協会の総合医育成プログラムに連動しているとのことでした。
講師は、関愛会よつばファミリークリニックの藤谷直明先生、大分大学医学部の吉岩 あおい先生でした。
 今回のテーマである認知症は多くの医療や介護の関係者が出会う一般的な疾患です。在宅診療を含め高齢者医療に関わるには認知症についての幅広い知識と種々の臨床場面に適した対応が必要です。
 認知症への関心は高く?90名近くの多くの方が参加されました。参加者の中には実際に病棟や外来で認知症を診療されている方も多くおりました。

 

テーマに沿った意識づけのため、まず、導入はアルツハイマー病の軽度認知症レベルの典型例が提示されまれました。そして、グループワークで必要となる問診、診察、検査についてグループワークで議論しました。事務局によって参加者は全部で?17グループに分けられ、私が入ったグループは5名の種々の専門領域や経験をもたれた先生方で構成されていました。
導入部分が終わり参加者のモチベーションが上がった時点で、吉岩あおい先生の認知症に関する講義をいただきました。講義内容は認知症に関する非常に幅に広い内容をコンパクトに、そして、重要なポイントを押さえてお話いただきました。この分野の初級から中級者にとって得ておくべき知識が整理されました。後で、見返した資料もとても役に立つものでした。

その後、事前に送付されていた7例の症例とその中に示された課題について、各自で検討をおこないました。後の藤谷直明先生の解説の中で明らかになりましたら、これらの7症例は認知症と診断される主要な症例の初診の頃の課題がコンパクトにまとめられたものでした。症例について課題を解きながらじっくりと健闘したことで、疾患の具体的なイメージを作ることができました。正常範囲、軽度認知障害、レビー小体型、血管性、前頭側頭葉型、若年性、そして、紹介すべき非典型例について学びました。

後半は認知症にみられる様々な課題について学びました。徐々に認知症が進行していく中で生じてくる様々な問題、運転免許、行動心理症状(BPSD:Behavioral and psychological symptoms of dementia)の中の「アパシー」、「ものとられ妄想」、「徘徊」、そして、終末期の対応として、方針の決定をどうするか、さらに、遠方の家族からの異なる方針が提示される場合、米国でカリフォルニアの娘という名前がついているそうですが、これらの一つ一つの課題について、やはり、症例提示と課題をグループワークで議論し、その後、藤谷直明先生から総論を教えていただきました。

この講座の特徴はひとつ一つの課題について、まずは提示された症例をベースして、課題を少人数でのグループワークで議論しながら課題の理解を深めていき、色々な意見や課題における問題点を認識することです。その上で解説を兼ねた講義をききます。単なる知識を得るばかりでなく、提示された症例と関連する課題を考えながらグループワークで自ら発言していくことで、イメージが構築され、考えが整理され、身についていくことを感じました。
さらに、この講座を受講して感激したのは、参加者各々からのチャットに書き込んだ様々な質問、例えば参加しながら気になったこと、実際に診療を行っている際の様々な課題、薬物療法のコツなどについて、診療経験を含め具体的な解決法などについて、一つひとつ、細やかに懇切丁寧にお答えされていたことです。さらに、藤谷先生と吉岩先生は本編終了後も、ZOOMに残られ、個別に質問を受けられている姿を拝見しながらこの分野の教育に積極的に関わられているお人柄を感じました。
最後に、認知症診療の初級者が始めてこの分野の知識を系統的学ぼうとする場合、中級者が知識を整理するとともに、診療上のコツを学び診療レベルを少しでも上げていこういとする場合など、様々なレベルの方にとって有用な講座ですので、多くの方々が参加されることを望みます。

【開催日】
2023年4月9日(日)

【テーマ】

診療実践コース:認知症

【講師】

藤谷 直明 先生(よつばファミリークリニック/大分大学医学部総合診療・総合内科学講座)

吉岩 あおい先生(大分大学医学部看護学会実践看護学科老年看護領域

         大分大学総合診療・総合内科学講座)

【研修目標】

・非専門医による日常外来で認知症が疑われる患者を拾い上げ、treatable dementiaの除外、認知症の種類、BPSDの有無を含めて適切な初期評価ができる
・典型的な認知症に対して、標準的な薬物療法および非薬物療法を実施するとともに、本人および家族に対して適切な療養指導ができる
・家族や専門医、他職種と連携して、心理社会的状況や介護サービスなども考慮した包括的な認知症ケア(BPSDへの対応を含む)を提供し、運転免許の問題や終末期についてもともに取り組み、最後まで主治医でいることができる

bottom of page