現場リポート:2019年12月22日
今回は5人1組のグループ形式です。
「プライマリ・ケアにおける循環器診療でいちばん重要なスキルは病状聴取」です。
さっそく、渡辺先生が模擬患者役をおつとめくださり、胸痛を訴えて受信した患者さんに対する病状聴取にトライしてみます!
症例の合間には、実践的な病状聴取のキモを教えていただきます。
そして、胸痛の原因が心臓にある場合の原因や診断・対処法や失神の鑑別などについてのレクチャーを受けます。
心電図のチェック項目について学んだあとは、症例ベースの心電図のみかたです。
症例提示と心電図から、どうやって診断を下していくか、みるべきポイントを絞って解説していただきます。
たくさん数をみることが上達の秘訣だそうです。
スクーリングでも、数をこなしていきます!
専門医でなくとも納得しやすいことばで説明してくださるので、理解が深まります。
次のテーマは高血圧です。
症例に基づいて、高血圧を指摘された患者さんをどう評価し、指導を行っていくかを考えていきます。
夜間降圧度と心血管イベントリスクの上昇との関連や、推奨される血圧測定のタイミング、二次性高血圧の除外、降圧薬選択など、血圧を正確に評価し、対応するために必要な知識を学びます。
ARBとACE阻害薬の違いなど、「なるほど!」と、目からウロコの情報が満載です。
今度は頻脈発作です。
まずは動悸の鑑別と、心電図による主な頻脈性不整脈の見分け方をレクチャーしていただいたうえで、再びの心電図トレーニングです。
ここでも所見のすくい上げの練習を積み重ねていきます。
さらに頻脈性不整脈の治療についてもお話しいただきます。
続いて、心房細動に移ります。
症例ベースで、心電図も交え、知っておくべきポイントまとめ、治療薬の比較、脳塞栓発症リスク評価、カテーテルアブレーションの適応などについて学びます。
最後は心不全。
こちらも症例に基づき、重視すべき診断基準、X線・CTのチェックポイント、クリニカルシナリオ、治療薬などについてわかりやすくおまとめいただきます。
とくにX線所見は手厚く教えていただきました!
学生さんにも大人気な渡辺先生の6時間に及ぶ豪華なスクーリング!
難しい言葉を使わずに、プライマリ・ケアで必要な知識を厳選して伝授していただきました。
心電図トレーニングもたくさん積んで、ちょっぴり苦手意識のあった心電図も、把握すべきポイントが浮き上がってみえてくるようになった、気がします。
皆さんもぜひ、ご体験ください!
【開催日】
2019年12月22日
【テーマ】
循環器
【講師】
渡辺重行 先生
(水戸協同病院)
【研修目標】
・胸痛を訴えて受診した患者に対して、身体所見や心電図などの検査所見から、急性心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群を診断し、適切な対応ができる
・高血圧を指摘された患者に対して、適切な評価・指導が行え、必要に応じ二次性高血圧の除外と適切な降圧薬選択により、継続的フォローアップができる
・頻脈発作を訴える患者を適切に診断し、適切に初期対応できる
・心房細動患者を適切に診断評価し、リズムコントロール、レートコントロール、抗血栓療法を適切に選択し、継続管理できる
・呼吸困難あるいは浮腫を主訴とする患者に対し、心不全の有無を適切に診断し、その病態の初期評価と初期治療を行うことができる