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現場リポート:2024年10月20日
今回は10/20に行われた診療実践コース「リハビリテーション」のレポートをお届けいたします。
今回私がこの講義を受講したきっかけですが、私はこれまで若手の総合診療医として3次救急を持つ急性期病院から回復期病棟, 訪問診療まで様々なセッティングで働いてきましたが、全ての現場でリハビリテーションと関わりがあり知識を必要とされる場面が多かったため、一度総合診療医としてリハビリテーションについて体系的に学習したいと考えたからです。そのような思いを抱えた中で始まった今回の講義ですが、まずリハビリテーションを語る上で欠かせないICF(国際生活機能分類)の書き方について教えて頂きました。実際の症例を用いて各要素を記載したことで、実症例をどのようにICFへ落とし込めばよいかイメージを作ることが出来ました。また代表的なADL評価法であるFIMとBarthel Indexについても教えて頂きました。両者とも存在は知っていましたが、細かな評価項目や点数によってどれくらいのADLとなるかの目安に関して詳しく勉強したことは無かったため、非常に有意義に感じました。
次は、リハビリテーション処方を行う際のポイントに関して教えて頂きました。リハビリテーション処方は医師であれば誰しもやったことがあると思いますが、改めて学習したことがある先生はとても少ないと思います。そのため、今回の講義で理学療法士や作業療法士, 言語聴覚士といった方々がどんな点を重要視しているのか, どんな記載をして欲しいのかについて教わることが出来たのは貴重な経験となりました。またリハビリテーションの中止基準に関するガイドラインやカルボーネン法・ボルグスケールを用いた運動負荷の設定方法などリハビリテーション処方する上で有用な知識も具体的に教えて頂くことが出来たのは非常に良かったです。
その後は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の先生からそれぞれ仕事内容や普段の仕事で意識している点に関してお話しして頂きました。我々医師は普段これらの職種と話す機会がありますが、具体的にどんな仕事をしているのか, 医師の指示に対してもっとこうして欲しいなどについて直接聞くことは無かったため、とても興味深かったと共に今後職場で患者さんについて相談する際にも役立つ内容ばかりだと感じました。
そして講義の内容は、リハビリテーションを提供する上で知っておくべき障害者手帳に関する知識に移っていきました。我々医師は高齢者を診療する上で介護保険を必要とする機会が多く自ずと介護保険で利用できるサービスについて考えますが、障害者手帳に関して考える機会は決して多くないため、介護保険では出来ないが障害者手帳では出来るサービスなど障害者手帳を取得する利点について把握出来たのはとても貴重な機会となりました。
そして総合診療医として働く上で欠かせない誤嚥性肺炎における嚥下障害のマネジメントについて教えて頂きました。誤嚥性肺炎の原因は嚥下障害以外に2つありそれらのマネジメントも重要であることから始まり、嚥下機能の評価法, 早期の経口摂取再開の重要性, 食事再開する上で注意するべき食形態や姿勢に関しても体系的に学習することが出来たのは大変ありがたかったです。
その他ICFを効果的に活用する上で有用なPHNモデルや、杖や歩行器といった装具の特徴についても解説して頂けたため、今後の臨床業務でリハビリテーションを考える上で有用な知識を1日で網羅的に学習することが出来ました。この講義は、リハビリテーションに関してなかなか学習する機会が無いと感じているプライマリケアの先生や、これからプライマリケアに従事しようと考えている先生には非常に役立つ内容ばかりです。
【開催日】
2024年10月20日(日)
【テーマ】
診療実践コース:リハビリテーション
【講師】
鵜飼 万実子(亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科)
その他講師:原嶋 渉、横田 達之、伴 大輔、松浦 容子、桂井 隆明、松浦 広昂、望月 亮、大野 洋平
【研修目標】
・ 一般内科・地域包括ケア病棟において頻繁に遭遇する疾病・障害に対して、病院総合医として必要な
領域に特化した評価・訓練・全身管理のポイントを学ぶ
・ 対象疾患としては、認知症などの神経変性疾患に伴う誤嚥性肺炎、サルコペニア・フレイルのある患
者の骨折、低栄養患者の内部障害(心不全やCOPDなど)をテーマとする予定
・ その他、リハビリ処方箋の作成のポイント、3療法士の特徴、装具・歩行器の選択などのレクチャーも
予定
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